熱傷

別名

第3度熱傷; 第2度熱傷; 第1度熱傷

定義

第1度熱傷とは表皮が損傷されたもので、痛み、皮膚の発赤、腫張があります。第2度熱傷とは、表皮と真皮を損傷するもので、痛み、皮膚の発赤、腫張、水疱形成があります。第3度熱傷とはさらに組織の深くまで損傷するもので、皮膚は茶色や黒に変色し、感覚がなくなることもあります。

原因と危険因子

応急手当をする前に、熱傷の範囲および一番ひどい部分の熱傷の深さを確認してください。それにしたがって、熱傷全体を処置してください。原因によって熱傷のタイプも異なりますので、熱傷の原因を確かめてください。よく分からない場合は、重度の熱傷として処置してください。

まず直ちに応急手当を行ってから医療機関に行った方が熱傷の程度を軽くできる場合があります。重度の熱傷の場合は、瘢痕、運動障害、変形を防ぐためにすみやかな治療が必要です。

熱傷が正常に回復しない場合は、医療機関に相談してください。熱傷の範囲が広くて表面的である場合は、いつも乾いた清潔なガーゼをあて、必要に応じて交換してください。感染の徴候が見えたら直ちに医療機関に相談してください。感染の徴候には、痛み、皮膚の発赤、腫張、熱傷がじくじくする、リンパの腫脹、熱傷の場所から心臓に向かって赤い筋が伸びる、があります。患者がきちんと破傷風の予防接種を受けているかどうかを確認してください。

患者が4才以下の場合、または60才以上の場合は、合併症が発生する確率が高く、その結果死亡率も高くなっています。

顔、手、足、性器の熱傷は、機能が失われることがあるため、最も危険です。

予防

-熱傷は、熱によるものが最も一般的です。原因としては、家屋の家事、自動車事故、マッチの火遊び、ガソリンの不適切な保存、暖房器具、電気の故障、放火が挙げられます。
-熱傷はまた、乾燥した熱(火など)、湿った熱(水蒸気、熱い液体など)、放射、摩擦、熱せられた物体、日光、電気、化学物質が原因となって起こることがあります。
-気道の熱傷は、多くの場合換気の悪い空間において煙、水蒸気、過熱した空気、有毒ガスを吸い込んだ時に起こります。
-その他の原因として、爆竹の不適切な取扱い、熱湯処理時の事故、台所の事故(子供がガスレンジに登る、熱いアイロンをつかむなど)が挙げられます。
-子供の熱傷は、両親の虐待によることもあります。

症状

-水疱
-痛み(痛みの程度は熱傷の程度とは関係ありません。最も重度の熱傷で痛みがないこともあります。
-皮膚がむける
-皮膚が赤くなる
-ショック(皮膚が蒼白になったり湿ったりしていないかどうか、脱力感がないかどうか、唇や爪が青みがかっていないかどうか、注意力が低下していないかどうかをチェックしてください。)
-腫張
-皮膚が白くなったり炭化したりする。

気道熱傷の症状:
-口が焦げている。唇が焼けている。
-頭、顔、首に熱傷を負っている。
-呼吸が困難。咳が出る。
-鼻毛や眉毛が焦げている。
-粘液が黒っぽく、煤が混ざっている。

徴候と検査

-熱傷部分に、軟膏、バター、氷、薬剤、クリーム、オイルスプレーを塗布したり、毛羽立つ綿をあてたり、接着包帯を巻いたり、その他の家庭療法を行ってはなりません。順調な治癒を阻害することがあります。
-熱傷部分を汚染してはなりません。熱傷部分に息を吹きかけたり、咳をしたりしてはなりません。
-水疱や死んだ皮膚をいじってはなりません。
-熱傷がひどい場合は、患者に物を食べさせたり飲ませたりしてはなりません。
-冷たいパップをあてたり、ひどい熱傷部分を冷水につけたりしてはなりません。ショックを起こすことがあります。
-気道に熱傷を負っている患者が横たわっている場合は、頭の下に枕を差し入れてはなりません。気道がふさがれる場合があります。

治療

-熱傷が広範囲の場合、または重度の場合。
-化学物質または電気による熱傷の場合、または熱傷の程度が分からない場合。
-患者がショックの徴候を示している場合。
-患者が気道に熱傷を負っている場合。

予後と転帰

軽い熱傷の場合:
1.皮膚が破けていない場合は熱傷部分に流水をかけるか、または冷水(氷水ではなく)につけます。熱傷部分を最低でも5分間水につけてください。しかし、寒い環境で熱傷を負っている場合は水をかけないでください。清潔な冷たい濡れタオルでも痛みを和らげることができます。

2.患者を落ちつかせ、大丈夫だと声をかけます。熱傷は非常な苦痛を伴うことがあります。

3.数分間流水をかけたり、水につけたりした後、熱傷の部分を滅菌ガーゼ(あれば)または清潔な布で覆います。

4.熱傷部分を圧迫したりこすったりしないよう保護します。

5.市販の痛み止め薬で痛みを和らげることもできます。また、炎症や腫張を緩和することもできます。

6.軽い熱傷は、通常これ以上の手当てをしなくても治癒します。しかし、直径2、3cmの第2度の熱傷がある場合、または手、足、顔、鼠蹊部、臀部、主な関節に第2度の熱傷を負った場合は、重大な熱傷として手当てします(下記参照)。

重大な熱傷の場合:
1.誰かが火に包まれている場合は、水があれば水をかけ、ウールや綿など合成素材でない厚手のコート、敷物、毛布でその人を包んで炎を消すか、その人を地面に横たえてごろごろ転がして炎を消します。あなたの服に火が燃え移ったら、ストップ(止まって)、ドロップ(地面に寝て)、ロール(ごろごろ転がって)の手順で火を消します。

2.焼けた服は、簡単にはがれる場合を除いて、無理に取り除かないでください。しかし、患者の着ている服がくすぶっていないかどうかをしっかり確認してください。

3.熱傷患者が呼吸をしていることを確認してください。もし呼吸が止まったり、患者の気道が閉じている場合は、気道を開かせます。必要であれば、人工呼吸と心肺蘇生を行います。

4.呼吸に問題がなければ、熱傷の部分を湿らせた滅菌ガーゼ(あれば)または清潔な布(毛布やタオルは使わないでください。熱傷部分が大きい場合はシーツが良いでしょう)で覆ってください。軟膏を塗ってはなりません。熱傷水疱をつぶさないようにしてください。

5.手の指や足の指に熱傷を負っている場合は、乾いた非接着性の滅菌ガーゼを指の間にはさんで指同士がくっつかないようにしてください。

6.熱傷部分を持ち上げて、そこを圧迫や摩擦から保護してください。

7.ショックを予防する方法をとります。患者を床に寝かせ、足をおよそ30cm(12インチ)高くし、患者にコートや毛布をかけます。頭部、首、背中、脚を負傷していると思われる場合、または、この姿勢が患者にとって苦痛である場合は、このショック姿勢をとらせてはなりません。

8.医療機関の治療が受けられるまで患者のバイタルサイン(脈拍、呼吸数、血圧)を監視し続けます。

合併症

アメリカでは、毎年およそ200万人の人が熱傷を負っています。このうち重度の熱傷は30万人、死亡者は6000人にのぼり、熱傷は事故死の原因の第三位を占めています。

熱傷による負傷を予防するには:
-家庭に煙探知機を設置します。
-時間を設けて、子供たちに火事予防の注意事項、火事の際の逃げ方、マッチや花火の危険性を教えます。
-火事の際の避難路を確認し、訓練を行います。

主治医

第一度熱傷