消化管出血

別名

上部消化管出血; 下部消化管出血; 消化管の血液

定義

消化管内の病気または異常の兆候。消化管出血が起こると、便に血液またはヘモグロビンが混じります。上部消化管出血は、胃の幽門弁の近くで起こります。下部消化管出血は、幽門弁よりかなり下の腸で起こります。

考慮すべきこと

消化管出血には、微視的出血(出血量がごく少量であるため、研究室での検査によってしか検出できないもの)から、大量出血(ほぼ血液だけが出るもの)までさまざまな程度があります。

消化管の出血は多くの重病の前兆である場合があるので、早期に発見することが大切です。微視的出血が長引くと、鉄分が多量に失われて、貧血症になる場合があります。急性の大量出血が起こると、血液量減少症やショック状態が起こり、死に至る場合があります。

消化管出血は、年齢に関係なく起こります。子供の消化管出血には、飲み込んだ鼻血などの単純なものから、牛乳アレルギーなどのより複雑なもの、あるいは腸重積症、メッケル憩室といった命に関わるものがあります。青少年は、出血性潰瘍、クローン病、大腸炎にかかるおそれがあり、中高年は、大腸癌および憩室炎にかかるおそれがあります。これらの病気はすべて消化管出血の原因となります。

一般的原因

- 空気造影剤によるバリウム注腸造影
- 内視鏡検査など腸に管を入れて行う検査
- 腸捻転(腸のねじれ)
- 腸重積症
- メッケル憩室
- 後天性血小板機能欠損
- 裂肛
- 牛乳アレルギー
- 下痢
- 十二指腸潰瘍
- 食道静脈癌
- 胃潰瘍
- 溶血性尿毒症性症候群(HUS)
- クローン病(限局性腸炎)
- サルモネラ症
- 細菌性赤痢
- 潰瘍性大腸炎

注: 消化管出血の原因は上記以外にも考えられます。上記のリストは、考えられる原因をすべて網羅しているものではありませんし、また、原因として多いものから順に並んでいるわけでもありません。希な病気や薬剤が、この症状の原因となることもあります。また、患者の年齢や性別、および症状の現れ方(性状、経過、悪化要因、緩和要因、随伴症状など)によっては、異なる原因が考えられることもあります。「症状分析」機能を使って、消化管出血だけが単独で起きているのか、他の病気と関連があるのか可能な説明を探してください。

家庭での治療

消化管出血を起こした場合は、微視的な血液が便に混じっているかどうか家庭で検査する(グアヤック試験、潜血反応検査)よう指示される場合があります。微視的出血より多量の消化管出血を起こした場合は、入院して原因の特定と治療を行うのが一般的です。

医師に相談

- 黒くタールのような便を排泄した場合(消化管出血の兆候の可能性があります)
- 血便を排泄した場合
- 吐血があるか、またはコーヒーかすのような物を嘔吐する場合

診察室での処理

消化管出血は迅速な治療が必要な病気です。静脈内滴注および薬剤、輸血、管を通しての胃からの排泄(経鼻胃管)といった措置が必要になる場合があります。

様態が安定化したら、問診および診察が行われます。

症状について以下のような質問をされる可能性があります:
- 経過
- いつ出血が始まりましたか?
- 出血は断続的に起こりますか、それとも継続的に起こりますか?
- 性状
- いつ出血に気づきましたか?
- 黒くタールのような便またはすぐ確認できる血便を排泄しましたか?
- 吐血はありますか?
- コーヒーかすのような物を嘔吐しましたか?
- 家族の病歴
- 本人またはその家族が消化性潰瘍または十二指腸潰瘍になったことがありますか?
- このような症状になったことはありますか?
- その他
- 他にどのような症状がありますか?
- 出血の原因または出血と関連性のある病気に気づきましたか?

注: この症状は医師によって診断されるもので、患者がその症状を自覚している場合もあればそうでない場合もあります。

診察では、腹部を詳しく検査します。

以下のような診断検査をするかもしれません:
- 血算などの臨床検査
- 腹部レントゲン撮影
- 腹部CTスキャン
- 腹部MRIスキャン
- 食道胃十二指腸鏡検査
- S状結腸鏡検査
- 大腸鏡検査

診察の後で:
消化管出血に関する診断を、自分の病歴に追加できます。「医療記録」機能を参照してください。

画像

腸重積−X線

腸捻転